なぜVの「ベルサイユ庭園のベンチ」は記念碑的な出来事となったのか
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なぜVの「ベルサイユ庭園のベンチ」は記念碑的な出来事となったのか

BTS Vのファンベースはベルサイユ宮殿が初めてしたことを成し遂げた:非西洋の人物に永久的な記念碑を献呈したこと。世界中に調整されたファンコミュニティ、文化遺産保全資金、そして現代的なファンダムについてすべてを語る静かな瞬間について。

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文化遺産に刻まれた一つの名前

12月30日、Vの30歳の誕生日に合わせて、フランス・ベルサイユ宮殿のトリアノン庭園に、彼の名を刻んだベンチが恒久的に設置された。これは一時的な展示や商業的プロモーションではなく、文化遺産への公式な献呈として位置づけられている。

ベルサイユ宮殿側によれば、2014年に文化遺産スポンサーシップ制度を導入して以来、非西洋圏の著名人がこの形で顕彰されるのは初めての事例となる。

ベルサイユ宮殿トリアノン庭園に設置されたVの記念ベンチ

単独のファン活動ではなかった理由

このプロジェクトは、企業スポンサーや単一のファングループによるものではない。V UnionやTaehyung Worldwideをはじめ、アジア、ヨーロッパ、オセアニア、南米に広がる複数のファンコミュニティが連携し、国境を越えて進められた。

異なる言語・文化・時間帯に属するファンが一つの文化遺産プロジェクトに集約され、フランスの公的機関と調整を行った点は、単なる熱意ではなく高度な組織力を示している。

感情的な反響が生まれた背景

ファンの反応が強い理由は、規模の大きさだけではない。このプロジェクトが、誕生日を祝う行為を超えて、文化遺産の修復・保全に直接貢献する形を取った点にある。

寄付によって庭園の維持が支えられ、その見返りとして恒久的なベンチが設置された。この構造は、ファン活動が社会的・文化的価値へと転化した例として受け止められている。

ベルサイユプロジェクトに参加した世界各地のファンコミュニティ

同時進行した世界規模の誕生日プロジェクト

ベルサイユでのベンチ設置は、今年の誕生日プロジェクトの一部に過ぎない。世界各地では同時に大規模な企画が展開された。

  • 中国では航空機単位でのスポンサー企画を実施
  • 上海・南京東路の大型3Dスクリーンでの常時放映
  • 長沙の大規模屋外スクリーンでの集中展開
  • ソウル地下鉄2号線全デジタルライトボックスでのメッセージ掲出
  • 江南・弘大・汝矣島を巡回するラッピングバスの運行
  • コロンビア・ボゴタでのモール連動プロジェクト

これらは個別の活動ではなく、地域ごとに役割分担された計画的な展開だった。

この出来事が示したもの

今回の事例が示したのは、グローバルなファンベースが文化遺産レベルのプロジェクトを企画・調整し、恒久的な形で影響を残すことが可能になったという現実である。

ベルサイユを訪れる人々は、今後もこのベンチとその背景にある物語に触れることになる。これは一過性の話題ではなく、制度的・歴史的文脈に組み込まれた出来事と言える。

静かな芸術的節目としてのもう一つの側面

同じ誕生日に、Vは写真集『Type 非』を発表した。20の章と20のモチーフで構成された本作は、20代を総括する静かな記録でもある。

大規模な国際的祝賀と、内省的な芸術表現。その両立が、今回の誕生日を象徴的なものにしている。

ベルサイユのベンチは美しい。しかしそれ以上に、組織化されたグローバルコミュニティが文化に残した痕跡こそが、長く記憶される出来事となるだろう。

Maya Park
Written by

Maya Park

Thoughtful Gen-Z journalist who captures fan emotions with calm reflection. Known for turning feelings into meaningful stories.

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